【ディレクション】STスポットオープンデーvol.1 場所と音楽-劇場でつくる- 2021年9月10日(金)-9月12日(日)
STスポット横浜でディレクションしています💡 https://stspot.jp/schedule/?p=8017
「オープンデー」はその名の通り、劇場をひらけた場にする試みです。 vol.1は作曲家の西井夕紀子さんをディレクターに迎えます。 ゲストアーティストのみなさんと観客のみなさんと、この場所からはじまる音楽を見つけていきます。
日程:2021年9月10日(金)-9月12日(日)
チケット:
9/10(金)・9/11(土)……各Track 500円
9/12(日)……1日通し1,000円
*各Track 定員5名
*お申し込みフォーム https://stspot.jp/ticket/
*ご来場にあたってはSTスポットの感染症対策にご協力くださいますようお願いいたします。
ディレクター:西井夕紀子 参加アーティスト:北川結 紫雲会横浜病院のみなさん 東郷清丸 THE PUSH 牧野容也
タイムテーブル: 9月10日(金)マキノサンデー Track 01▶️13:00~14:00……THE PUSH×西井夕紀子 オープンスタジオ THE PUSHメンバーと曲作り、観客のみなさんにも一緒にアイデアを出していただきます。 マキノサン、ゲスト参加!?
Track 02▶️15:00~17:00……牧野容也×西井夕紀子 オープンスタジオ マキノサンと曲作り、観客のみなさんにも一緒にアイデアを出していただきます。
Track 03▶️18:00~ ……パフォーマンスタイム 今日できたものを振り返りながら演奏してみます。
9月11日(土)キヨマルサンデー Track 04▶️13:00~14:00……大森さん(中継:紫雲会横浜病院より)×西井夕紀子 オープンスタジオ 歌詞を提供してくださる大森さんとZoomで中継をつなぎ曲作り。 THE PUSHメンバー、キヨマルサン、ゲスト参加!?
Track 05▶️15:00~17:00……東郷清丸×西井夕紀子 オープンスタジオ キヨマルサンと曲作り、観客のみなさんにも一緒にアイデアを出していただきます。
Track 06▶️18:00~ ……パフォーマンスタイム 今日できたものを振り返りながら演奏してみます。
9月12日(日)ミックスサンデー Track 07▶️14:00~15:30……シェア&ミックスタイム ダンサーの北川結さんに、1日目、2日目にできた音楽を聴いてもらいます。 観客のみなさんを交えながら振付を考え、パフォーマンスタイムの準備をします。
Track 08▶️16:00~17:00……パフォーマンスタイム 3日間でできたものを振り返り、ミックスしながらパフォーマンス。
*開場は各Track 10分前より予定
「場所と音楽 -劇場でつくる-」によせて
私がはじめて出会った劇場的な空間は、今思えば、日本舞踊を教えていた祖母の家だったかもしれません。板の間に訪れ少しの挨拶をした後「踊るモード」へと切り替わる人々…それまでと「何か違う感じ」に変化した人間の放つものを、間近で感じとった経験でした。
立派な劇場に立ち入ったのはそれからどのくらい後のことだったのか忘れてしまいましたが、構造的な要因からではなく、人が演じる、踊る、または演奏すると決めた時、そこがどんな場所であっても「劇場がはじまる」のではないかという思いが今でも私の根底にあります。移行する時間には、なだらかなのも、唐突なのもあって、両方楽しい。
「オープンデー」に際し「劇場をひらく」という目標もった時、建物としてではなく意味としての「劇場」になるかならないかのところを、あえて「劇場」と呼ばれる箱の中で行き来し、誰かと一緒に味わってみたいと思いました。 出演者も観客という立場の人々も劇場的な瞬間を作るプロセスの中にいて、感じたことを話したりアイデアを出したり、あるいはただそこにいたりする。私は劇場に来たぞ!というより、あ、今劇場っぽくなった…!劇場が終わった…などと感じる体験。「劇場時間」が押し寄せ、ふとそうじゃなくなる、その移ろいをみつめて。「可能性を“ひらく”」なのか、「ひみつの集会を“ひらく”」なのか、それとも「魚の“ひらき”」みたいにして手の内を見せちゃうことなのか。とにかくいろんな「ひらく」をやってみたいのです。
とはいえ、私のことばは「音楽」です。演劇やダンスは作れないので、作曲を通してそのことを考えることにしました。 ゲストとして、ミュージシャンの牧野容也さん、東郷清丸さん、横浜市内の福祉作業所に通うメンバーで構成されたバンドTHE PUSH、そしてダンサーの北川結さんをお招きします。
牧野さん、清丸さんとはお話ししたことがあるだけで、曲作りはもちろん一緒に演奏するのも初めてです。 THE PUSHの皆さんとは、今までに公民館みたいなところでミュージカルをやってみたり、精神科病院内や地下のスペースで一緒にライブをしてみたりしました。いつも創造的な気持ちにさせてくれる大切な音楽の同志です。
オープンデー1日目と2日目は、彼らと一緒に、また、足を運んでくださったお客様と一緒に、音楽を作るということがさまざまな他者との間でどのように成り立つのか試してみたいと思っています。 一体どんな音楽になっていくのでしょうか。何かできあがるのでしょうか、それとも何もできないまま終わるのでしょうか…どきどきします。
音楽というメディアに劇場でのできごとを断片的に記録し続けた後、新しい気持ちで、それまでになかったタイプの「身体」に登場してもらいます。最終日に現れるダンサーの北川結さんのことです。たくさんの舞台を一緒に踏んだ頼もしい仲間でもあります。 音楽が、生まれた時間を忘れて劇場にゆらゆらするのを見ることができたらな、と考えています。
心の中に何かが芽生えた誰しもに、小さな「スポット」が灯る場にしてみたい。STスポットは表現にまつわる決意を白くつつんで際立たせてくれる場所だから。
パンデミックが起こり、人が集まることは特別な機会になりました。「劇場に」集まることはもっと特別になりましたね。健康を最優先にしながら、どこでも起こり得て特別なこの「劇場時間」を忘れないように、また、さまざまな人の生活に届くように、今は小さく、灯し続けることが、劇場の一つの役割ではないかと思っています。 vol.1 ディレクター 西井夕紀子
参加アーティストプロフィール:
西井夕紀子
©︎Tatsuya Hirota
作曲家。舞台作品やドキュメンタリー映画への楽曲提供を行うかたわら、人が音楽を奏ではじめる・作りはじめる瞬間に魅力を感じ、文化施設、福祉施設でセッションや曲作りを実施。
主な楽曲提供作品は、東京国際芸術祭2007参加演劇公演『アトミック・サバイバー −ワーニャの子どもたち−』(演出:阿部初美、2007年)、ドキュメンタリー映画『おとなのかがく』(配給:Studio Q-Li、監督:忠地裕子、2014年)、フェスティバル/トーキョー20観察型ミュージカル的ダンス・パフォーマンス公演『わたしたちは、そろっている。』(振付・演出:白神ももこ、出演:モモンガ・コンプレックス、2020年)。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」ほか各地アートプロジェクト、JT生命誌研究館における「ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろう!ラボ」研究員らとのワークショップ&レクチャーなど、活動の幅を広げている。
オールフィメールロックバンドFALSETTOS(https://www.falsettos.beer)ではキーボードとトランペット担当。
東京芸術大学音楽学部音楽環境創造学科卒業、同大学院音楽研究科修了。
Website:https://www.yukikonishii.com/
北川結
©︎北川姉妹
6才からモダンバレエをはじめる。桜美林大学にてコンテンポラリーダンスを木佐貫邦子に師事。
2008年より白神ももこ主宰のモモンガ・コンプレックスにメンバーとして参加。以後、ほぼ全ての作品に出演。ダンサーとして木佐貫邦子、伊藤千枝子、小野寺修二、岩渕貞太など様々な振付家、演出家の作品に出演。近年では、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、長塚圭史演出による演劇作品に出演し活動の幅を広げている。
2017年、横浜ダンスコレクション コンペティションⅠにて奨励賞を受賞。
イラストレーターとしても活動中。
東郷清丸
1991年横浜生まれ。歌やギターやトラックメイクで、その場に流れるムードをかたちにする。素朴な線画のように、不思議なCGのように、あらゆる手触りを愛して旅する音楽家。演奏は、ギター1本の弾き語りから、デュオ・トリオ・10人以上のフルバンドに至るまで、会場に合わせて柔軟に形を変える。またCM・映画・舞台へむけての音楽制作、他アーティストへの楽曲提供、トークゲスト出演なども行っている。
THE PUSH
©mikana
THE PUSHは、横浜市内の作業所に通うメンバーが中心となって始めた音楽活動グループです。2017年に音楽家の西井夕紀子さんに出会い、ミュージカルを作ったり、ライブを行ったりしてきました。2019年には、横浜市内の精神科病院の人たちとの音楽を通じた交流活動なども始めました。メンバーのほとんどは精神疾患を持っていますが、世間が「精神疾患」に持つステレオタイプなイメージを覆すような、ユニークでおもしろい音楽活動をしています。
牧野容也
©︎三浦知也
1984年生まれ、名古屋市出身。
シンガーソングライター、ギタリスト。
20代からギタリストとして音楽活動を始め、小鳥美術館(2020年活動終了)、GUIRO、Hei Tanakaなど様々なバンドや他アーティストのサポートで創作に携わる。これまで、作品を創る場面に寄り添うことを表現の中心としていたが、自分の音楽を創る必要と必然性を感じ、2021年4月、自宅録音による1stソロEP「グッド・バイ」をリリース。
協力:中村麻美 紫雲会横浜病院
イラスト:中島あかね
企画・制作・主催:STスポット
お問合せ: [TEL]045-325-0411 [MAIL]tickets(a)stspot.jp ※(a)を@に変えてご送信ください。
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